オオミノガの糸は生物界最強の強度?寄生虫で絶滅の危機!?

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sizen-tenpaku.comより引用

皆さん、オオミノガって知ってますか?

「ガ」ってついてるから蛾の一種ということは言うまでもないと思いますが、オオミノガは世間一般では「ミノムシ」として広まっています。

正確に言うと、「ミノムシ」とはミノガ科の蛾の幼虫の総称で、その中でもこの「オオミノガ」の幼虫を指すことが一般的です。

わたしも調べる前までは、オオミノガもミノムシも知ってはいたのですが、おんなじものだとは知りませんでした・。・;

このオオミノガの出す糸は非常に強力で、その糸を使って蓑(みの)を作り身を守ったり冬を越すための防寒に使います。

人気漫画テラフォーマーズでは膝丸燈がオオミノガを手術ベースとしています。

漫画テラフォーマーズより引用

膝丸燈はアネックス計画では日米合同第二班に所属しています。人間離れした戦闘能力と幼少期から習っている古流柔術が使え、マーズランキングは6位にランクインしてます。

自然な人間ではなく人工的に作られた人間(デザイナーベイビー)であり、先天的にオオミノガとは別の能力をいくつか持っているようだが、ハナカマキリ以外は明らかになっていません。

今回はそんな強力な糸を作り出せる、オオミノガについて紹介していきたいと思います。

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オオミノガの生態

チョウ目・ミノガ科・オオミノガ亜科・オオミノガ種に分類されます。

漢字で書くと大蓑蛾と書きます。また、別名で「ヤマトミノガ」とも呼ばれています。

漢字の名前があったり、別名に「ヤマト」と入っているところから想定される通り、日本原産の虫です。

日本の本州・四国・九州・沖縄や対馬・屋久島・宮古島などの島々にも生息しています。

終齢幼虫の体長は3.5cm~5cmほど、成虫は雌が2.7cm~3.5cmで雄は3cm~4cmになります。

日本に生息するミノガ科の中では最大種になります。

成虫になって翅(はね)と脚が生えている形になるのは雄だけで、雌は脚も翅も生えておらず体のほとんどを腹部が占めており頭や胸は小さい。なので、雌は蓑の中の蛹から出ることはない。

ミノムシの全部は成虫になったら、空を飛ぶ蛾の状態になると思っていたのでびっくりですね。にしても、雌は蓑の中から一生出ることがないなんてなんかかわいそうですね。。。

また、雌も雄も口が退化しており花の蜜などは吸うことができない。

オオミノガの一生

雌は自分の蛹の中に卵を産み付けます。20日ほどで幼虫が孵化し親の蓑から出ると、そこから糸を垂らし、風に乗って他の木の枝や葉に移ります。

風に乗って分散すると、まず小さい蓑を作ります。それから食事を開始し、主食は葉や樹皮だそうです。

6月から10月にかけて7回も脱皮を繰り返し、徐々に大きくなります。身体の成長とともに小枝や葉っぱなどをつけて蓑を大きくしていきます。

この蓑の材料は自然界の中では主に葉や小枝なのですが、実験であえて人がオオミノガの蓑を壊してから近くに色紙を置いておくと、その色紙を使って蓑を修復したそうです。

このように、蓑の材料は比較的なんでも大丈夫なようで、うまくやればカラフルなミノムシが作れてしまうそうです!(私は別に作ってみたいとは思いませんがw)

10月までに7回脱皮を終え、終齢幼虫(8齢)というに達すると、越冬の準備に入ります。

食事をやめて葉や枝をかじり取って集め、それを口から吐く糸を使ってつづり合せます。

葉や枝を大量に使ってつづった蓑は相当な強度を持つらしく、鳥などのミノムシを食べる敵もこの蓑を切り裂くことは容易ではないそうです。しかし、シジュウカラなどのくちばしが細い鳥は蓑の底に開いている穴から、引きずりだしてしまうそうです。

越冬の間は食事をせずに4月から6月にかけてに蛹(サナギ)になります。その後、6月から8月にかけて羽化します。前述したとおり、この時に雄は蛹からでますが、雌は蛹から出ずに飛び回ります。

雌は交尾をするために雄を引き寄せるフェロモンを出し、雄は食事をせずに雌を探して飛び回り、雌のフェロモンに引き寄せられると交尾を始めます。

交尾が終わると雄はすぐに死んでしまい、雌はすぐに出産を始めます。出産する卵の数は1000~4000個にもなります。

雌は卵が孵化するころには、干からびて蓑の下の穴から落下して死んでしまいます。

この数の卵が約20日ほどで孵化し葉などを食い荒らすことから、害虫とも言われてしまいます。

糸の強度は生物界最強?

オオミノガにとって出す糸は生命線とも言えます。

越冬の時にこの糸でつづった頑丈で冬の寒さをもしのげる防寒機能もある蓑がなければ、鳥に簡単に食われるし、寒さで死んでしまうこともあるでしょう。

ある研究によるとオオミノガと同じミノガ科である「チャミノガ」の幼虫と「ジョロウグモ」の出す糸を一定の長さまで伸ばして、単位断面積当たりの強度を比較したところ、ミノムシの糸は「ジョロウグモ」の約2.5倍の強度があったそうです。

クモの糸の強度は同じ太さの鋼鉄の5倍の強度を誇るそうですから、そこから考えるとミノムシの糸の強度は鋼鉄の約12.5倍にもなることになりますね!!

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オオミノガは減少して絶滅の危機!?

このオオミノガですが、最近みたことありますか?

実は、ここ20年ほどで減少傾向にあると言われています。

その原因と言われているのが、中国から入ってきた外来種「オオミノガヤドリバエ」です。

名前から一目瞭然ですが、オオミノガに寄生する寄生虫です。

オオミノガヤドリバエはミノムシが食べている葉に卵を産み付け、その卵をミノムシが食べると体内で孵化して、体内からミノムシを食べてしまいます。

オオミノガヤドリムシはオオミノガのみに寄生し、オオミノガ自身には防ぐ手立てがないことから数を急速に減らしてしまいました。

しかし、オオミノガヤドリバエに寄生する蜂の存在もあり、オオミノガヤドリバエの数も抑制されて、オオミノガが現時点では絶滅には至っていません。

まとめ

子供の時にミノムシを見つけた時は「ミノムシいたー!」となぜか喜んでいたものですが、最近は探そうと思うことが少なくなったこともあるでしょうが見かけなくなりました。

とても強力な糸を持っているし日本原産ということもあるので、害虫とされることもありますが、これ以上数を減らさないために保護活動とかをしてもらいたいですね。

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