蜂の中でも最強・最大の蜂と言われているオオスズメバチ。
ミツバチ、クマバチ、アシナガバチなど多くの種類の蜂が存在しますが、その中でも一番大きく、一番危険です。
日本にも生息しているので、見たことがあるといった方は多いのではないでしょうか?私が小学生の時には、校庭の傍の木にスズメバチの巣ができてしまい、休み時間に外遊び禁止となって業者が駆除に来るといったことがありました。
刺されたら危険といったことは皆さん周知の事実ですね。
人気漫画テラフォーマーズでは小町小吉がオオスズメバチを手術ベースとしています。
小町小吉はアネックス1号のクルーの中で唯一バグズ2号に乗車し火星へ行ったことがあります。そのため、アネックス1号では艦長と日米合同第一班の班長を務めています。
バグズ2号の頃から20年間修練に励み、空手6段の腕前を持っており経験・実力ともにトップクラスです。
今回はオオスズメバチの生態や天敵などについて紹介していきたいと思います。
目次
オオスズメバチの生態
ハチ目・スズメバチ科・スズメバチ属・オオスズメバチ種に分類される。
インドや東南アジア・日本を含む東アジアに生息しています。なんか世界最大の~とかいうのって、アフリカとか南アメリカとかにいそうなイメージが私はあったんですが、蜂の場合は違うみたいです。
日本では本州・北海道・四国・九州などほぼ全土に生息しています。
オオスズメバチは種の下に4種の亜種で分類され、日本に生息する亜種はその4種の中でも大きいそうです。
体長は2.5cm~4.5cmほどで女王バチの中には5cmを超えるものも確認されているそうです。5cmって大きすぎませんか!?セミぐらいサイズがありますよ!怖すぎー
食性は成虫は幼虫から出される栄養液が主で、他にも昆虫や花の蜜やブドウなどの果実や樹液などを食べます。幼虫の餌はほかの種類の蜂や昆虫などから作る肉団子で、肉団子は成虫がかみ砕きペースト状にします。
幼虫は成虫が運んできた肉団子を栄養源に栄養液を作り、成虫に与えています。成虫が他の昆虫を攻撃し肉団子を作り幼虫に与えるのは、幼虫たちを育てるためでもあり、成虫自身が栄養液をもらうためでもあるわけです。
オオスズメバチの危険性
オオスズメバチの大きな武器は毒針と顎(あご)と機動力です。
性格は非常に好戦的で凶暴です。自分たちの巣や餌場に近づくものがあれば、自分よりはるかに大きな人間などの大型動物でも攻撃を仕掛けてきます。
毒針は非常に強力で人が刺されると赤く腫れあがってしまうそうです。私は蜂に刺されたことがないので、実際にどれほど痛いのかはよくわかりませんが、小学生の時に友達がミツバチでさえしゃがみ込んで痛そうにしてましたし、蚊に刺された時とは比べ物にならないほど腫れていたのでオオスズメバチに刺されたとなると相当痛いことが想像できます。
毒の成分も強力ですが、1回刺されただけで人が死に至るようなことは体質などにもよると思いますが多くはありません。大群に襲われ何度も刺されると命の危険がある程度です。
しかし、一度刺された人の中には蜂の毒に対する抗体ができることがあります。その人が2回目に刺されてしまうと約10%~20%の確率でアナフィラキシーショック(過剰な防衛反応)を起こし最悪の場合は死んでしまいます。
毎年、日本では20名ほどがオオスズメバチなどの蜂に刺されたことがが原因で亡くなっています。その大部分はアナフィラキシーショックだそうです。
オオスズメバチは顎も強力です。小型の昆虫と戦うときは顎を使って食いちぎることがあり、幼虫の餌の肉団子もこの顎を使って作ります。
他にも機動力でもなかなか優れています。オオスズメバチの働き蜂は1日で100㎞移動することができると言われており、最高時速は40㎞ほど出すことができるそうです。
長距離移動も可能でスピードも速いのはすごいですね!
毒針は雌(メス)の蜂しかもっていない
蜂の代名詞と言ってもいい毒針ですが、オオスズメバチに限らず蜂の中で毒針を持っているのは雌だけです。
雌についている毒針は産卵管が変化したものです。
私たちが夏に見ることがあるオオスズメバチの働き蜂はすべて雌であり、雄は働き蜂として活動するようなことはなく、11月ごろ繁殖のために外に出るまでは巣の中で仕事をすることもないそうです。
雄は繁殖のために外に出て交尾をし終わるとしまうそうです。繁殖のために生まれて、行為が終わると死んでいく・・・ なんか悲しいですね。
優れた統率力
単体でも強力なオオスズメバチですが、統率力も優れています。
オオスズメバチはフェロモンという成分を出すことができ、女王蜂は働き蜂をフェロモンを使って制御しています。そのため、女王蜂が全盛のうちは他のメス蜂は繁殖活動をしようとせず、働き蜂としての役割に専念します。
他にも仲間を呼び寄せる効果もあり、強い敵を見つけるとフェロモンを使い仲間を呼び寄せ集団で攻撃を仕掛けてきます。
スズメバチを刺激してはいけない大きな理由がこれですね。
スズメバチを見つけた時に手で払ったり、大騒ぎするなどするとスズメバチも興奮状態になり、攻撃対象とされてしまいます。フェロモンで大量の仲間を呼ばれたら大変なことになってしまいますよ。
スズメバチを見つけたら過剰に反応はせず、ゆっくりその場を離れましょう。
オオスズメバチの天敵
強力な毒針と顎を持ち機動力にも優れ、統率が取れていて集団での行動も得意なオオスズメバチには昆虫界で敵なしのように思えますが、そんなことはありません。ちゃんと天敵はいます。
天敵①オニヤンマ
オニヤンマは性格が凶暴で肉食なため、スズメバチにも攻撃を仕掛けます。
オニヤンマが肉食って知ってましたか?田舎のほうの出身の方なんかは子供の時に捕まえてみようと思ったこともあるんじゃないですか?わたしも帽子で捕まえて遊んでました(笑)
そんな方は知ってると思いますが、あいつらめちゃくちゃ速いんですよ!最高時速は70㎞に達するそうです。
そのスピードを活かしオオスズメバチの背後から捕まえて、毒針を使えないように固定しながら捕食してしまいます。
オオスズメバチが毒針で逆に仕留めることもごくまれにあるようですが、十中八九オニヤンマに軍配が上がります。毒針が使えなければオニヤンマ、使えればオオスズメバチということですね!
天敵②オオカマキリ
オオカマキリはオオスズメバチの倍ほどの体長があり、武器の二本のカマはパワーとスピードを併せ持ちオオスズメバチを一瞬でとらえることもできるそうだ。
オニヤンマと違いこちらは五分五分ぐらいの実力差で、見方によっては天敵と言うほどではない。
天敵③シオヤアブ
3cmほどのアブの1種で昆虫の体液を主食し、口吻(こうふん)と呼ばれる硬い針のようね部分を使って攻撃します。
視力と飛行能力が高く、敵をいち早く見つけてこっそり背後を取るといった奇襲攻撃が得意。
普段は植物の影などに身を潜め、獲物となる昆虫が通りかかると背後から接近し、口吻を使って一撃で仕留める。神経節という部分を狙って攻撃するため、刺されたら即死だそうだ。
その一撃でオオスズメバチはおろかオニヤンマまで仕留めてしまうことも。しかし、体長も小さく他に武器はないため、奇襲に気づかれたり、襲われる側になると勝ち目はない。
その攻撃方法から昆虫界のアサシン(暗殺者)と呼ばれることもある。昆虫の体液が主食なので人に攻撃することはあまりない。
天敵④カブトムシ&クワガタ
樹液の餌場をめぐり争うことがあるが甲殻が硬いため、オオスズメバチの毒針も顎も通用しない。
クワガタの場合はオオスズメバチを一刀両断してしまうことも・・・
天敵⑤トウヨウミツバチ
トウヨウミツバチ(二ホンミツバチ)は単体ではスズメバチにかないませんが、集団の力でオオスズメバチを倒すことがあります。
オオスズメバチは他の種の蜂の巣を幼虫の餌の確保のため襲うことがあります。その時に「蜂球」というものをつくります。
1匹のオオスズメバチを集団で取り囲み、内部の温度を50度近くまで上がいます。
オオスズメバチの致死温度は45~46度でトウヨウミツバチは50度ほどとオオスズメバチの方が低く、蜂球の中でオオスズメバチは蒸し殺されてしまいます。
単体では絶対にかなわない相手に集団プレーで挑んで勝つ。なんかいいですね。
まとめ
オオスズメバチの特性や天敵を紹介しましたが、あらためて怖い昆虫だなーというのをあらためて感じました。天敵を数種類紹介しましたが、条件などによっては昆虫界最強候補の1匹に入るのではないでしょうか?