日本で一番人気のあるプロスポーツといっても過言ではないプロ野球。
1軍の試合だけでも、年間で800試合以上が行われています。
その試合を開催するのにもちろん選手たちは欠かせないのですが、同じく欠かせない存在なのが試合の進行をする審判です。
毎日試合に出場する選手たちも大変ですが、審判の方たちも移動や準備などが相当大変でしょうね。
でも、プロの選手たちのプレーをジャッジして試合をまとめる、審判たちってかっこいいです!
その審判たちが、どんな過程を経てプロ野球の審判になれたのか、また大変な仕事だけにどれくらいの給料をもらっているのか気になりますよね?
ということで今回は、プロ野球の審判の年収や仕事内容、なるための過程などを紹介していきたいと思います。
目次
プロ野球の審判の生活
試合中の審判たちは、キャッチャーの後ろに立っている球審であれば、ピッチャーの投げたボールがストライクかボールかをジャッジすることなど。
塁審たちであればランナーがセーフかアウトなのかをジャッジすることなど、それらが審判の仕事であると試合を見ていれば、だいたいは私たちでも分かりますよね。
しかし、試合中以外のところでなにをしているのか、試合にむけた準備でどんなことをしているのか知っている人は少ないと思います。
それらをまず紹介していきます。
シーズン開始前
プロ野球選手はシーズンが始まる前に自主トレやキャンプなどで、1年間のシーズンを戦い抜く身体を作りますが、審判も同じく自主トレをしているそうです。
1月の中旬から審判は皆、東西に分かれて合同自主トレを行っています。
いくら選手でないとは言えど、真夏のグラウンドでずっと立ちっぱなしで審判の仕事をする体力も必要ですし、球審をやるときに必要な、投手にボールを投げ返せる程度には肩も作らなければなりません。
2月になり、各球団がキャンプを始めると、審判たちも12球団のキャンプにそれぞれ派遣されます。
キャンプでは、投手が実際に投げているボールをジャッジして目を慣らす実戦練習をしながら、フォームを変えた投手たちにボークではないか指導したり、選手にルールを周知させることなどの仕事もあります。
そして、オープン戦からは公式戦同様に試合の中での仕事が始まります。
審判はローテーション制
プロ野球の試合には、審判が4人必要です。
キャッチャーの後ろにいる「球審」が1人、一塁・二塁・三塁に1人づつ「塁審」がいます。
審判たちは5人1組で行動しています。
実際に試合で必要なのは4人なので、1人は補欠となります。
5人1組のグループは固定ではなく、同一カードが終わるごとにメンバーは変わります。
3連戦などの同一カード内では、5人の審判たちが、「球審→控え→三塁→二塁→一塁→球審」とローテーションして回します。
このローテーションを知っていると同一カード内であれば、明日の球審は今日一塁の塁審だった○○審判だろうなと予想をつけることができます。
試合前や試合後はなにをしてるの?
審判たちは試合が始まる2時間前には球場入りし、試合で使う用具の手入れなどの試合の準備や登録メンバーの確認をするそうです。
審判も用具の手入れとか、裏方の仕事をしているのは意外ですね。
試合後は審判たちでその試合を振り返って反省会をして、レポートを書いたりもするそうです。
試合時間だけを見れば勤務時間は短そうですが、実際は試合中以外の一般の人からは見えないとこでも仕事をしていて楽ではなさそうですね。
ポストシーズンはベテラン審判のみ
クライマックスシリーズや日本シリーズなどのポストシーズンは、審判たちの中でも経験豊富なベテランのみが出場します。
若手はフェニックスリーグなどの教育リーグへと派遣されます。
ここだけの話、ベテラン審判はジャッジが上手いかというと別の話ですよねw
審判も動体視力や一瞬の動きを見逃さない反射神経が必要なスポーツのようなものですから、年を取れば衰えも出るでしょう。
実際、クライマックスシリーズでは誤審が起きたこともありました。
これは、2016年のクライマックスシリーズのDeNA対巨人戦で起きたことです。
球審がプレイの合図をかけ、ピッチャーも投げる体勢に入っていました。
そして、ピッチャーはリードを大きくとっていた二塁ランナーをアウトにするべく鋭い牽制球!
タイミングはアウトかセーフなの微妙なタイミング!さて、二塁塁審の判定は!
二塁塁審「・・・」
どういうことか、セーフもアウトもなんのジャッジも下さなかったのです。
どうやら、二塁塁審はプレイの合図がまだかけられていないと勘違いしていたのだそうです。
映像で見てても明らかにプレイはかかっていますから、怠慢と言わざる負えない行動です。
まあ、このワンプレー明らかに審判の職務怠慢なのですが、このひとつのミスで全国の野球ファンから批難が集まってしまうと考えると責任重大な厳しい仕事ですよね。
なるための手順
現在、プロ野球の審判になるには、2013年に設立されたNPBアンパイア・スクールの講習を受ける必要があります。
毎年、定員を設けて募集が行われており、1週間ほどの講習を受けたうえで、その中の成績優秀者数名が「研修審判員」として採用されます。
毎年、60名ほどが講習を受けて、そのうち3~4名が「研修審判員」として採用されています。
なかなか狭き門ですね。
「研修審判員」になると、まず独立リーグに派遣されるそうです。
独立リーグで経験を積み実績が認められると、プロ野球の2軍の試合に出場できる「育成審判員」に昇格できます。
さらにそこから2軍の試合で経験を積むと「正審判員」となることができます。
身長制限など身体制限はある?
数年前までは応募条件に、身長175cm以上、視力1.0以上などの条件が設けられていました。
審判には身長制限があったのですね!
そういえば、野球の試合を見ていても、審判たちの体格が野球選手たちにも劣ってないですよね。
しかし現在は、応募条件からそういった制限は撤廃されています。
現在の応募資格はこうなっています。
応募資格
高卒以上(2019年3月高校卒業見込みの方を含む)
性別、身長、体重、視力、年齢などの制限なし。
女性の方でも応募できると言うのは意外ですね!
高校を卒業していれば、性別や体格に関わらずだれにでもチャンスがあるということですね。
まぁ実際のところは、審判員の募集という目的だけではなく、全国で審判として頑張っている方たちの交流やスキルアップも兼ねているためだからだそうです。
やはり、プロ野球の審判として採用されるなら、体格や視力は必要となってくるでしょう。
プロ野球の審判の年収・給料は?
プロ野球の審判になると最低保証額として、まず1軍の審判なら750万円、2軍の審判なら345万円が最低でも貰えるそうです。
日本の平均収入が約420万円なので、1軍の審判になることができれば平均と比べてかなり高収入です!
まぁ、技術も必要で体力的にも大変ですから、これぐらい貰えるのは必然ですかね。
2軍の審判となると、1軍の審判と比べ最低保証額は半分以下になってしまいますね。
最低保証額とは別に出場手当てとして、1軍では球審なら3万4000円、塁審なら2万4000円、控えなら7000円が貰えるそうです
2軍での出場手当ては2000円しかないそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
野球をよく見たり、やったことがある人でも、プロ野球の審判のことについては知らなかったことがあったのではないでしょうか?
特に、同一カード内は5人の審判がローテーションで回しているというのは、新しい発見でした。
これからは、野球を見るときにもっと審判に注目して見てみたら面白いかもしれませんね。