左利きの選手は野球界でも珍しい存在ですが、世間全体でも10%ほどだけだそうです。
なにごとでも、少数派は苦労することが多いものですが、野球でも左利きは不利になる場面が多いです。
逆に、右利きよりも左利きの方が有利になるところもあるんですけどね。
自慢じゃないですが、私は元々は純粋な右利きだったのですが、学生の頃から自分なりに特訓して、左でも普通の人並みには文字を書いたり、箸を使ったり、ボールを投げることができますw
そこでふと思ったのですが、左投げの選手がショートやセカンドなどは守ることが難しいことは知っているけど、キャッチャーは守れるのかどうかということです。
なんとなくですが、不可能ではない感じがしませんか?
ということで今回は、左利き・左投げの選手はどこのポジションなら守ることが可能なのか。
また、キャッチャーを守ることが可能なのか?今までに守った選手はいるのか?も調べて、その理由とともに紹介していきたいと思います。
目次
左投げにキャッチャー(捕手)は守れる?
キャッチャーは、守備面では打者の特徴や反応などから投手を配球でリードし、なおかつ他の守備をしている野手たちにもサインを出している、守備の要と呼ばれるポジションです。
プロでは右投げの選手しか見かけませんが、果たして左投げでも守ることは可能なのでしょうか?
結論から言うと、左投げではキャッチャーを守ることは難しいでしょう。
一見、投手が投げたボールをキャッチするのが主な仕事なのだから、左右どちらで投げるかなんて関係ないだろ?と思えてもしまいますよね。
しかし、左投げの選手がキャッチャーを守らないのにはそれだけの理由があります。
キャッチャーをやる上でのデメリット
左投げの選手はキャッチャーを守るのが難しいと書きましたが、その理由を状況ごとにデメリットして解説していきます。
盗塁を阻止しにくい
キャッチャーの仕事のひとつとして、盗塁を狙って走ったランナーを、送球でアウトにするということがありますよね。
盗塁を刺すには、投手が投げたボールを捕ってから、いかに早く投球動作に入るか、ランナーが向かう塁にどれだけ速くてコントロールのいい球を投げることができるかが重要です。
盗塁を狙う俊足ランナーが一塁に出ていて、バッターボックスには右打ちの打者、そして、キャッチャーは左投げの選手という状況を想像してみてください。
野球では、左打ちより右打ちの選手の方が多いです。
プロや全国レベルになると、右打ちより左打ちの方が有利なので、右利きだけど左打ちに矯正する選手も多いですが、アマチュア野球や少年野球では右打ちの選手が大半です。
右打者は、打った後に走らなければならない一塁ベースが、本塁ベースを挟んだ方向にあるので、ベースに被さるような勢いで踏み込みながら打ってくるバッターが多いです。
ソフトバンクの松田選手なんかがそうですよね!
そうなると、左投げのキャッチャーが二塁ベースに向かって投げるときに、踏み込んできたバッターと被ってしまい、投げにくくなってしまうんです。
これは、打者の松田選手が盗塁阻止を狙ったキャッチャーの送球を妨害したとして、守備妨害を取られた時の映像です。
これで、守備妨害になるのかよ~!と言いたいほど厳しい判定ですね(;^_^A
守備妨害を取られましたが、審判によっては守備妨害としなかった審判も多いと思います。
この捕手が左投げだったらと考えると、到底ちゃんとした送球ができるとは思えませんよね。
ただこちらの記事で書いたように、最近は急速に左打者が増加しているので、この理由だけでは、まだ左投げのキャッチャーも場合によっては・・・と考えられます。
本塁クロスプレーで追いタッチになる
次に、ランナーが本塁に走りこんできて、本塁で返球されたボールを持ったキャッチャーとクロスプレーになった時を想像してください。
当たり前ですが、左投げの選手は右手で、右投げの選手は左手で、ボールをキャッチしますよね。
左手でキャッチする右投げの捕手は、三塁からスライディングしてくるランナーの足元に素直にグローブを置けます。
しかし、左投げの捕手はボールを右手で捕ってから、マウンドの方に背中を向けるようにして上体を移動させなければランナーにタッチできません。
最大の理由は三盗の阻止が難しい
左投げにキャッチャーが難しい、最大の理由がこれだと思います。
三盗というのは、二塁ベースにいるランナーが、三塁に向かって盗塁する行為のことを言います。
三盗はキャッチャーとの距離が近いので成功率が極めて低く、プロの試合だとあまり実行されることはありません。
あなたがキャッチャーになったつもりで、三塁に送球する右投げ・左投げのキャッチャーの真似をしてみてください。
左投げだと投げづらそうじゃないですか?
左投げの捕手は一塁方向には投げやすいというメリットもあるのですが、三塁方向には投げる前に身体を切り返さなければならず、送球に時間がかかってしまいます。
もし、プロのゲームに左投げの捕手がいたら、その弱点を狙った敵チームに三盗をガンガン狙われることになるでしょう。
左投げのキャッチャーは存在した!?
今までのプロ野球の歴史の中で、存在するのか調べてみたところ、プロでは左投げのキャッチャーはひとりもいないようです。
これだけ不利な理由があったら、いくらいい選手でもキャッチャーはやらせず、投手や外野手に回しますよねー。
わざわざ守らせる理由がないです。
しかし、高校野球では左投げの捕手というのが、いたことがあるようです!
しかも、甲子園に出場したチームでです!
そのチームとは、2000年に甲子園に出場した沖縄県の那覇高校です。
この映像は、甲子園での2回戦での仙台育英戦のハイライトです。
キャッチャーも左投げですが、サードも左投げなんですよねw
そして、みんな打撃フォームが個性的w
型にはまってない自由さが、これぞ高校野球という感じで面白いですね。
しかし、1:45のとこで、懸念されるであろう三盗を決められてしまっています。
頑張ってはいますが、やはり左投げの選手にキャッチャーは難しいのではないですかね。
逆に、左利きの方が有利なポシションは?どこなら守れる?
キャッチャーを守るのが難しいように、左投げの選手には他にも守るのが難しいポジションが存在します。
じゃあ、左利きの選手は右投げになるしかないの?どこなら守ることができるの?となりますよね。
安心してください、左投げの選手でも守れるポジション、右投げと比べて有利なポジションはあります。
投手
左投げの投手は「サウスポー」とも呼ばれます。
打者の場合は、右利きの選手が左打ちに転向するということはありますが、投手の場合は、矯正して利き手じゃない方で投げるということはほとんどないので、左投げの投手は珍しくなります。
右投手とは投げる角度が違い、打者は慣れていないので右打者も左打者も打ちにくいことが多いです。
プロだとサウスポーはざらにいるので、慣れていないということはなくなるでしょうが、左の強打者にワンポイントで出したりと一定数の需要があります。
ファースト
ファーストも左投げの方が若干ですが有利とも言われています。
理由としては、まず、一二塁間の打球が捕りやすいことがあります。
逆に、一塁線の打球は捕りにくいというデメリットもあるんですがね。
一塁線の打球よりも一二塁間の打球の方が、飛ぶ確率は多いでしょうから、左投げの方が総合的には有利でしょう。
2つ目に、一塁や二塁にランナーがいる状態でファーストに打球が転がって、セカンドやサードに送球してアウトを狙う場面で、左投げの方が身体を切り返さずに送球できるので、右投げと比べてアウトに出来る確率が上がります。
あと、牽制球を受ける際に、ボールをキャッチする右手がベースに近いので、捕ってからランナーにタッチしにいきやすいです。
外野手
特に、左利きだから有利だ、なんてことはないですが、外野はフライをを捕ったり、ヒットになったボールを内野に返球するだけなので、右投げ・左投げの違いはプレーにあまり支障がありません。
プロだと、一塁手は外国人や走るのが苦手な巨漢の選手が守備につくことが多いので、左投げの野手の大半は外野手となっていますね。
まとめ
左投げではキャッチャーを守ることは難しいということが分かりましたね。
まとめると、左投げの選手は投手か一塁手か外野手をやるという選択をすることになります。
少年野球レベルだと、左投げのセカンドやショートもいたりするらしいですけどねw
ボールを投げる手が違うだけで、ポジションごとにメリットやデメリットがあったりと、野球ってほんとに奥深くて面白いスポーツだなぁーと思います。